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スニーカーをわざと大きめに履くメリットとサイズ選びの正解

スニーカーをあえてジャストサイズではなく、少し余裕を持たせたサイズで選ぶ「わざと大きめ」という選択。これには、単なるトレンド以上の明確な理由とメリットが存在します。
「足の健康のためにジャストサイズを履くべき」というのは一つの正論ですが、ファッションという視点から見ると、必ずしもそれが唯一の正解とは限りません。
なぜ多くのおしゃれな人たちがこのスタイルを実践しているのか、その背景にある「見た目の美しさ」と「快適性」の両面から、まずはその魅力を紐解いていきましょう。
何センチのサイズアップが正解か解説
結論から言うと、ファッション的な観点と快適性を両立させるためのゴールデンゾーンは、「+0.5cm〜+1.0cm」の範囲です。
現代のスニーカーカルチャーにおいて、サイズアップが正義とされる最大の理由は「シルエットの美しさ」にあります
。特にコンバースやVANSのようなローテクスニーカーの場合、ジャストサイズで履くと足の幅に合わせて靴が横に広がり、ボテッとした丸いフォルムになりがちです。
これを解消するのがサイズアップです。
実は、医学的な観点から見ても、靴の中には「捨て寸」と呼ばれる、つま先の空間が1.0cm〜1.5cm程度必要とされています。これは歩行時に足が靴の中で前後に動く際、指先が靴に当たって変形するのを防ぐためです(出典:一般社団法人 日本フットケア・足病医学会『靴の選び方』)。つまり、実寸ぴったりの靴を選ぶこと自体が、そもそも間違いである可能性が高いのです。
しかし、ファッションにおける「デカ履き」は、この必要な捨て寸に加え、さらに意図的な空間を作る行為です。縦の長さに余裕を持たせることで、靴紐(シューレース)の左右の羽根をギュッと閉じる「ギュン締め」が可能になります。これにより、ヴィンテージスニーカーのような細身でシュッとした美しいシルエットが完成するのです。
ジャストサイズとサイズアップの比較:
- ジャストサイズ:足の横幅で靴が広がり、羽根が「ハの字」に開いてしまう。全体的に丸く、子供っぽい印象になりがち。
- サイズアップ:羽根が平行に閉じ、本来のシャープなデザインが活きる。パンツの裾から覗くつま先のラインが鋭角で美しい。
0.5cmと1.0cmはどっちを選ぶべきか

では、具体的に「0.5cmアップ」と「1.0cmアップ」のどちらを選ぶべきか、迷うところですよね。これは、あなたが「何を優先するか」によって決まります。
| アップ幅 | こんな人におすすめ | メリット・デメリット |
|---|---|---|
| +0.5cm | ・快適性を最優先したい人 ・初めてサイズアップを試す人 ・薄手の靴下を履くことが多い人 | メリット:靴擦れのリスクが低く、特別な調整なしでも履けることが多い。 デメリット:見た目の変化はマイルド。幅広の足だと羽根が閉じきらないことがある。 |
| +1.0cm | ・見た目のシルエット重視の人 ・幅広・甲高で悩んでいる人 ・厚手のソックスを合わせたい人 | メリット:紐を完全に閉じる「ギュン締め」スタイルが可能。厚手のインソールを入れて履き心地をカスタムできる。 デメリット:そのままでは確実に踵が抜けるため、紐の結び方やインソールでの調整が必須。 |
私のおすすめとしては、「まずは+0.5cmから始めて、インソールを入れる予定があるなら+1.0cm」という選び方です。
特に日本人は甲高・幅広の足の形をしていることが多いので、欧米ブランドの靴は縦の長さを犠牲にして(大きくして)横幅を合わせる、という考え方は理にかなっています。
また、冬場に厚手のパイルソックス(Nike Eliteなど)を履く場合は、+1.0cmしていないと逆に窮屈に感じることすらあります。
ナイキの大きめサイズは構造を理解して選ぶ

スニーカー界の絶対王者であるNike(ナイキ)。デザイン、歴史、ブランド力、どれをとっても超一流ですが、サイズ選びの難易度に関してもトップクラスに難しいブランドであることをご存知でしょうか。
「いつも27.0cmだからナイキも27.0cmで」という安易な選び方が、ナイキにおいては最も危険です。
なぜなら、ナイキのスニーカーは基本的に「欧米人の足型(甲が低く、幅が狭い)」をベースにしたグローバルラスト(木型)で作られているからです。
私たち日本人の足は一般的に「甲高・幅広」と言われており、ナイキの構造とは真逆の特徴を持っています。
つまり、最初から「構造的にミスマッチが起きやすい」という前提に立ってサイズを選ぶ必要があるのです。
見た目のボリュームに騙されるな!Air Force 1の罠
ストリートのド定番、「Air Force 1(エアフォースワン)」。あの分厚いソールとボリューミーな見た目から、「中は広そうだな」と錯覚してしまいがちですが、ここに大きな落とし穴があります。
確かに内部空間(特に横幅)はそこまで極端に狭くはありません。しかし、問題は「アッパー素材の硬さ」です。特に新品のAF1に使われているレザーは非常に硬く、馴染むまでにかなりの時間を要します。
もしジャストサイズ(実寸ギリギリ)を選んでしまうと、歩くたびにアッパーが屈曲する際、硬いレザーが折れ曲がって足の指の付け根に突き刺さる「噛みつき(Bite)」と呼ばれる現象が発生します。
これが地味に痛く、靴擦れの原因になります。
あえて+0.5cmサイズアップすることで、靴内部に「逃げ場」が生まれ、このレザーの食い込みを回避することができます。
AF1に関しては、「横幅がきついから」というよりは、「硬い革と喧嘩しないため」にサイズを上げるのが賢い選択です。
ハイテクスニーカーは「クッションの厚み」を計算に入れる
さらに注意が必要なのが、「Air Max 95」や「Air Max 97」といった90年代を代表するハイテクスニーカーたちです。
これらはランニングシューズとしての機能を追求して作られたため、走行中に足がブレないよう、ホールド性が極限まで高められています。具体的には、履き口やタン(ベロ)、ヒール周りに分厚いパディング(クッション材)がたっぷりと詰め込まれています。
このフカフカのクッションが足を包み込んでくれるのですが、逆に言えば「クッションの分だけ、足が入る物理的なスペースが狭くなっている」ということでもあります。
モデル別の体感サイズ(私見):
- Air Max 90:つま先が少し細いが、比較的一般的(+0.5cm推奨)。
- Air Max 95:全体的に圧迫感が強い(+0.5cm〜+1.0cm推奨)。
- Air Max 97:アッパーが流線型で伸びない素材のため、甲への圧迫が最強クラス(+1.0cm推奨)。
特にAir Max 97は、デザインが複雑で素材の伸縮性がほとんどないため、「足が入らない」という悲劇が起きやすいモデルです。
「ナイキのハイテク系は小さめ」という定説を信じて、思い切ってサイズを上げるのが失敗しないコツです。
異次元のタイトさを誇る「ハラチ」システム
そして、ナイキのサイズ選びを語る上で避けて通れないのが、「Air Huarache(エアハラチ)」に代表される「ハラチフィットシステム」です。
これはアッパーとシュータンが一体化した「インナーブーティ構造(靴下のような形状)」になっており、伸縮性のあるゴム素材で足を強力に締め付けることでフィット感を生み出します。
この構造のモデルに関しては、もはや通常のサイズ感は通用しません。
ゴムの締め付けが非常に強いため、「+1.0cm〜+1.5cm」アップが常識とされています。普段27.0cmの人が28.5cmを履いても「あれ?まだ少しキツイかも?」と感じるほどです。
注意:ハラチ系は履き口も狭いので、ジャストサイズだと足を入れることすら困難な場合があります。「大きすぎるかな?」と不安になるサイズを選んで、ようやく正解になるのがこのモデルの面白いところです。
このように、同じNikeというブランドの中でも、モデルの構造によって選ぶべきサイズは天と地ほど変わります。
しかし共通して言えるのは、「迷ったら大きい方を選ぶ」のがナイキにおける鉄則だということです。大きい分にはインソールや靴下で調整できますが、小さいナイキはどうやっても履けませんからね。
コンバースのデカ履きサイズ感とシルエット

「スニーカー わざと大きめ」の代名詞とも言えるのが、Converse(コンバース)のAll Starです。この靴に関しては、「迷ったら+1.0cm」と言い切ってもいいくらいです。
キャンバス生地一枚で作られているコンバースは、足の形がそのままシルエットに出てしまいます。
ジャストサイズで履くと、小指の形がポコッと浮き出たり、羽根が全開になって格好がつかないことが多いんです。
ヴィンテージのチャックテイラー(CT70など)を愛するマニアたちの間では、左右の羽根がくっつくほど紐を締めるのが「美学」とされています。
特に海外企画の「CT70」やハイカットモデルを履く場合、あえて大きく履いて紐を足首でギュッと縛るスタイルは、もはや一つの「作法」として定着しています。
これにより、パンツの裾から覗くつま先のシャープさが際立ち、足首がキュッと締まって見えるため、全身のスタイルアップ効果も期待できます。
ハイカットなら、さらに大きいサイズ(+1.5cm以上)を選んでも、足首で紐を何重にも巻いて固定できるので意外と歩けます。
これを「デカ履き」と呼び、多くのファッショニスタが実践しています。ただし、ローカットの場合は踵が抜けやすくなるので、+1.0cmまでにしておくのが無難でしょう。
ニューバランスのサイズ選びとウィズの重要性

New Balance(ニューバランス)は、他のスニーカーブランドとは一線を画す独自のフィッティングシステムを持っています。
それが、足の長さ(レングス)だけでなく、足の幅(ウィズ)を選べる「ウィズサイジング」という仕組みです。
一般的に展開されているのは「D(やや細め)」「2E(標準〜幅広)」「4E(幅広)」あたりでしょうか。
本来であれば、自分の足の幅を計測して、ジャストフィットするウィズを選ぶのが「正解」です。
しかし、ファッション的な視点、つまり「見た目のカッコよさ」を追求すると、話は少し変わってきます。
あえて「Dウィズ」を選んでサイズアップする美学
日本人は「幅広・甲高」の足を持つ人が多いため、店員さんには「2E」や「4E」を勧められることが多いと思います。
もちろん履き心地は楽なのですが、幅広のモデルは全体的にぽってりとしていて、上から見た時のシルエットが丸くなりがちです。
そこで私がおすすめしたいのが、「あえて細身のDウィズを選び、その分サイズを上げる(+0.5cm〜+1.0cm)」というテクニックです。
Dウィズのモデルをサイズアップして履き、紐をギュッと締め上げることで、ニューバランス特有のボリューム感を保ちつつも、横幅が膨らまないスマートな「塊感」を演出できます。
特に人気の「996」や、USA/UK製の「1500」などは、シュッとした細身のスタイルが魅力なので、この選び方が非常に効果的です。
サイズ選びのヒント:
- 幅広モデル(2E/4E):楽だが、足元がボテッと見えやすい。
- 細身モデル(D)+ サイズアップ:横幅の圧迫を縦のサイズアップで逃がすことで、細長い綺麗なシルエットを作れる。
「990番台」はデカ履きに最適な構造をしている
ニューバランスのフラッグシップである「990」「991」「992」「993」などの990番台シリーズ。これらは「スニーカー わざと大きめ」を実践するのに、最も適したスニーカーの一つだと言えます。
その理由は、「ヒールカップ(踵のホールドパーツ)」の造形が芸術的に優れているからです。
安価なスニーカーの場合、サイズを上げると踵がガバガバになって歩きにくくなりますが、Made in USA/UKのニューバランスは、踵を鷲掴みにするかのように立体的に成形されています。
そのため、+1.0cm程度のサイズアップであれば、紐さえしっかり結べば踵がスポッと抜けてしまうことが驚くほど少ないのです。
「大きめでも足についてくる」という感覚は、ニューバランスならではの体験ですね。
ワイドパンツの裾を受け止める「防波堤」としての役割
最近のファッショントレンドであるワイドパンツやフレアパンツに合わせる際も、ニューバランスの「デカ履き」は威力を発揮します。
裾幅の広いパンツに、ジャストサイズの華奢なスニーカーを合わせると、靴が完全に隠れてしまったり、裾を引きずってしまったりと、バランスが悪く見えがちです。
しかし、サイズアップしてボリュームを増したニューバランスなら、そのぽってりとしたフォルムがパンツの裾をしっかりと受け止める「防波堤」の役割を果たしてくれます。
パンツの裾がスニーカーの甲でクッションし、綺麗なドレープ(シワ)が生まれる。
この全身のバランスを整えるために、あえて大きめを選ぶというのは、現代のストリートスタイルにおける賢い戦略と言えるでしょう。
豆知識:ラスト(木型)の違い
ニューバランスには主に「SL-1(細め)」と「SL-2(ゆったりめ)」という2つの木型があります。
996などは「SL-1」、574や1400は「SL-2」です。SL-2のモデルは元々丸みが強いので、過度にサイズアップすると本当に大きく見えすぎてしまうことも。
モデルによる元々の形の違いも意識すると完璧です。

スニーカーをわざと大きめに選ぶ際の注意点と調整法

ここまでメリットをお伝えしてきましたが、単に「大きい靴を買えばいい」というわけではありません。何も対策せずにブカブカの靴を履くと、足を痛める原因になりますし、靴自体の寿命も縮めてしまいます。
ここからは、大きめスニーカーを「自分の足に合わせてチューニングする」ための具体的なテクニックをご紹介します。
ここが一番重要なパートかもしれません。サイズアップは「履く」のではなく、「履きこなす」ための技術が必要です。
大きめスニーカーが疲れる原因と対策

「大きめの靴は疲れる」という声を聞くことがありますが、その主な原因は「靴の屈曲点(曲がる位置)と足の関節の位置がズレている」こと、そして「靴の中で足が滑っている」ことにあります。
本来、スニーカーは足の指の付け根(MP関節)の位置で曲がるように設計されています。
しかし、サイズが大きすぎると、この屈曲点が前方にズレてしまい、靴の硬い部分を無理やり曲げるために余計な筋力が必要になります。
これが「すね」や「ふくらはぎ」の疲労感の正体です。
また、靴の中で足が前後に滑ると、無意識に脱げないように足の指を曲げて靴底を掴もうとする動作(ハンマートゥ)が常態化します。
これを防ぐためには、後述するインソールや紐の結び方で、足を靴の後方(ヒールカップ)にしっかりと固定することが絶対条件です。
踵さえ固定されていれば、つま先側にどれだけ余裕があっても、指は自由に動けるため、むしろ快適に歩くことができます。
注意:ヒールドラッグ(踵の引きずり)
靴が足についてこないと、踵を引きずって歩く「すり足」になりやすくなります。
これは見た目が悪いだけでなく、アウトソールの踵部分が極端に早く削れてしまう原因にもなります。
お気に入りのスニーカーを長持ちさせるためにも、フィット感の調整はサボらないようにしましょう。
ダサいと思われないワイドパンツコーデのコツ

「スニーカーを大きく履くと、足だけミッキーマウスみたいに巨大に見えてダサくない?」
この不安、すごく分かります。検索窓に「スニーカー 大きめ ダサい」と出てくるのも、多くの人が同じ心配をしている証拠ですよね。でも、安心してください。その心配は「一昔前のスキニーパンツ全盛期」の話です。
ファッションにおけるサイズ感は「相対的」なものです。
足にピタッと張り付くスキニーパンツに、+2.0cmのハイカットスニーカーを合わせれば、当然足だけが浮いて見えます。
しかし、現在はワイドパンツやフレアパンツが主流の時代。このボリューミーなボトムスに対しては、むしろスニーカーも大きくしないとバランスが取れないのです。
「甲の高さ」が美しいドレープを作る土台になる
なぜワイドパンツには「デカ履き」が合うのか。その最大の理由は、靴の長さではなく「甲の高さ(インステップ)」にあります。
スニーカーをサイズアップすると、つま先が伸びるだけでなく、紐を通す甲の部分の位置も物理的に高くなります。これが非常に重要なんです。
甲が高くなることで、ワイドパンツの広い裾が地面につくのを防ぎ、スニーカーの上でしっかりと止まってくれます。
これを「ワンクッション」や「ハーフクッション」と呼びます。このクッションが生まれることで、パンツの裾に美しいドレープ(生地のたまり・シワ感)ができ、計算された大人のルーズさを演出できるのです。
サイズアップの効果的な役割:
- ストッパー機能:高くなった甲が、パンツの裾が地面に擦れるのを物理的に防ぐ。
- ドレープ形成:裾が靴に乗ることで、立体的なシルエットが生まれる。
ジャストサイズのローテクスニーカーは「埋もれる」
逆に、ワイドパンツにジャストサイズのローテクスニーカー(特にVANSのSlip-OnやEra、Converseのローカットなど)を合わせるとどうなるでしょうか。
これらの靴は元々甲が低く設計されています。ジャストサイズで履くとさらにボリュームが出ないため、ワイドパンツの裾幅に完全に負けてしまい、足元が「消失」してしまいます。
結果として、パンツの裾をズルズルと引きずって歩くことになり、裾がボロボロになったり汚れたりして、清潔感を損なう原因になります。
「おしゃれのために大きく履く」というのは、実は「大切なパンツの裾を守る」という機能的な選択でもあるのです。
スタイリングの黄金比:
「トップスはゆったり、パンツも太め、足元も大きめ」。
この「Aライン」や「Iライン」と呼ばれるシルエットを作ることが、現代のストリートファッションにおける正解の一つ。
足元にボリュームを持ってくることは、全体の重心を下げて安定させるために不可欠な要素なんですよ。
パカパカして踵が抜けるのを防止する方法
スニーカーをサイズアップした時に直面する最大の敵、それが「踵(かかと)抜け」です。歩くたびに踵が浮いて「パカパカ」してしまう現象、誰もが一度は経験があるのではないでしょうか。
このパカパカ現象(ヒールスリップ)は、単に歩きにくいというストレスだけではありません。
踵が浮いたり擦れたりすることで摩擦熱が生じ、短時間で酷い靴擦れや水ぶくれを引き起こす危険なサインでもあります。
「サイズアップ=靴擦れ」というイメージを持っている方も多いですが、実はしっかりと踵さえ固定できていれば、靴擦れは驚くほど防げます。
スニーカーの「一番上の穴」は飾りじゃない
お手持ちのスニーカー、特にランニングシューズやVANSのオールドスクールなどをよく見てみてください。紐を通す穴(アイレット)の一番上に、普段使っていない「謎の穴」がもう一つ空いていませんか?
「デザインかな?」と思われがちですが、これこそがデカ履きを成功させるための秘密兵器。
専門用語で「ダブルアイレット」や「エキストラアイレット」と呼ばれる、ヒールロック(踵固定)を行うための専用ホールなのです。
魔法の結び方「ヒールロック」の完全手順
この穴を使った「ヒールロック」という結び方をマスターすれば、+1.0cm以上のサイズアップをしていても、踵が磁石でくっついたかのようにピタッと吸い付くようになります。
慣れれば5秒でできるので、ぜひ今すぐ試してみてください。
ヒールロックの手順:
- 輪っかを作る:一番上の「謎の穴」に、紐を表から裏へ(外側から内側へ)通します。この時、紐を全部引ききらずに、小さな「輪っか(ループ)」を残しておきます。
- クロスして通す:左右にできた輪っかの中に、反対側の紐の先端をそれぞれ通します(左の紐を右の輪へ、右の紐を左の輪へ)。
- ギューッと締める:通した紐を真横ではなく、「真下(踵方向)」に向かってグッと引きます。すると、輪っかが締まり、足首部分で強力なロックがかかります。
- 最後に結ぶ:あとは通常通り、中央で蝶々結びをして完成です。
この結び方をすると、紐の張力が足の甲ではなく「足首」に向かって働きます。
これにより、踵の骨(踵骨)がスニーカーのヒールカップに強制的に押し付けられ、物理的に「抜けない状態」が作られるのです。
ランニングシューズなどでも使われる本格的なテクニックですが、ファッションでデカ履きをするなら必須スキルと言えます。
注意:ロック力が非常に強いため、締めすぎると足の甲の血管や神経を圧迫して痺れることがあります。「踵は抜けないけど、足首は苦しくない」程度の強さに調整してください。
それでも抜ける場合は「物理的な滑り止め」を
「ヒールロックをしても、まだ少し踵が浮く気がする…」
そんな重度のデカ履きユーザーや、踵が小さくて引っかかりにくい足型の方は、最終手段として「ヒールグリップ(踵用滑り止めパッド)」を使いましょう。
これは靴の踵の内側に貼り付けるクッション状のシールです。100円ショップやドラッグストアで手に入ります。
これを貼ることで、踵部分の厚みが増し、物理的に隙間が埋まります。また、スエード素材などの摩擦係数が高いものを選ぶと、靴下が食いついて滑りにくくなります。
「ヒールロック」+「ヒールグリップ」の合わせ技を使えば、どんなに大きなスニーカーでも、まるで体の一部のように操ることができるようになりますよ。
大きめスニーカーにおすすめのインソール

サイズアップで生まれた「余分な空間」は、インソール(中敷き)で埋めましょう。これは単なるサイズ調整だけでなく、履き心地を劇的に向上させる絶好のチャンスでもあります。
選ぶべきは、100円ショップなどで売っているペラペラの平らなものではなく、「カップインソール」と呼ばれる立体的なタイプです。
踵や土踏まず(アーチ)を立体的に包み込む形状のものを選ぶと、靴の中で足が左右にブレるのを防いでくれます。
「Superfeet(スーパーフィート)」や「Sidas(シダス)」などの高機能インソールは値が張りますが、疲労軽減効果は絶大です。
裏技:シークレットインソールの活用
ハイカットスニーカー限定のテクニックですが、踵部分が2cm〜4cmほど高くなっている「シークレットインソール(ヒールアップインソール)」を入れるのも一つの手です。
身長が盛れるだけでなく、足の甲が高い位置に来ることで、アッパー(紐部分)での締め付けが効きやすくなり、フィット感が向上するという副作用があります。これは内部空間に余裕がある「デカ履き」だからこそ許される裏技です。
スニーカーの紐の結び方でフィット感を高める

紐の通し方には大きく分けて「オーバーラップ(交差)」と「パラレル(並行)」がありますが、サイズアップしたスニーカーには断然「オーバーラップ」がおすすめです。
オーバーラップは、紐が交差する部分で摩擦が生まれるため、締め付けの保持力が強く、歩いていても緩みにくいのが特徴です。
デカ履きの基本は「紐をギュン締め」してアッパーを足に密着させることなので、しっかりとホールドしてくれるこの結び方がベストマッチします。
逆にパラレルは、局所的な圧迫感が少なく見た目は整っていて綺麗ですが、ホールド力はやや劣ります。
「大きめを買ったけど、どうしても足が動いてしまう」「長時間の歩行で疲れる」という方は、まずは紐の通し方をオーバーラップに変えてみてください。それだけで靴と足の一体感が全く変わるはずです。
スニーカーをわざと大きめに履きこなす重要ポイント
最後にまとめます。スニーカーの「スニーカー わざと大きめ」という選択は、単なるサイズ選びのミスではありません。
それは、自分のスタイルや好みに合わせて既製品の靴をカスタマイズする、一つの高度なファッション文化です。
大切なのは、ただ大きいサイズを買って終わりにするのではなく、「紐の結び方・高機能インソール・靴下の厚み」を駆使して、自分の足にフィットさせること。
いわば、サイズはメーカーから与えられるものではなく、自分で「作る」ものという感覚に近いかもしれません。
「大きすぎるかな?」と不安になるかもしれませんが、適切なチューニングさえ施せば、その余白はあなたのスタイリングを格上げする強力な武器になります。
この「調整する楽しみ」を知れば、スニーカー選びの自由度は無限に広がります。ぜひ、あなたも恐れずにワンサイズアップの世界に足を踏み入れてみてくださいね。




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